一般社団法人 国際交流サービス協会

IHCSA主催「定例講演会」開催

 IHCSA主催「定例講演会」開催

 

平成27年6月29日(月)、当協会は国際相互理解促進事業の一環として「定例講演会」を六本木の国際文化会館で主催し、70名あまりの方々にご参加いただきました。

今回は、禅や日本文化を内外に発信し世界の著名人や宗教家とも交流を重ねてこられ、日本仏教界における将来を嘱望される臨済宗大本山妙心寺退蔵院副住職 松山大耕氏に、「禅とグローバリゼーション」というテーマで講演いただきました。

まずは、日本人の宗教観や日本の仏教は独特であることを説明され、「禅」とは読んで字のごとく「シンプルを示すこと」が真髄であり、ブッダの厳しい修行を追体験すること・坐禅と並んで日ごろの実践体験(清掃、料理)を重視していること、そして、禅の修行は瞑想によって利益を求めるのではなく、今まで築き上げてきた体験・知識を全部なくしていくこと、と話されました。

〝禅の寺院に特徴的な石庭は、全宇宙を表現し、自分の心を映し、見つめなおすことがテーマとなっている〟〝弓道、剣道または武士道などと日本で「道(どう)」と名の付くものは、なにかを使って精神状態を極限まで高めるものであり、日本文化の真髄である〟と例示しながら禅が生み出した日本文化を解説されました。

自ら世界を巡り、さまざまな宗教の人々と意見交換した経験から、日本の宗教に対する期待が高いことを示され、今の世の中はまったく矛盾した価値観が共存する社会であり、何を軸としていくのか――グローバルな時代だからこそ文化・伝統・宗教を私たちが学んでいくべきである、と説かれました。

国内外で精力的に活躍されている新進気鋭の僧侶の話に、参加された方々は禅についての理解を深め、日本の文化・伝統の背景を知る機会となりました。
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【松山大耕氏プロフィール】

東京大学大学院農学生命科学研究科修了。2007年より妙心寺退蔵院副住職。外国人記者クラブや駐日各国大使館で多数講演を行うなど、日本文化の発信・交流が高く評価され、2009年観光庁Visit Japan大使に任命される。2011年より京都市「京都観光おもてなし大使」。2011年日本の禅宗を代表しバチカンにて前ローマ教皇に謁見、2014年日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、宗教の垣根を越えて活動中。著書『大事なことから忘れなさい 迷える心に効く三十の「禅の教え」』(世界文化社、2014年)。

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